2011年12月24日

chara_haruki

「メリーックリスマ~ス!」
クラッカーの紐を思いっきり引っ張ると、
派手な音とともに紙吹雪が舞った。
それに向かって、
わぁっと歓声を上げながら拍手をするあいつ。
その笑顔に、オレは心の底から満足する。
今日のこのクリスマスパーティに向けて、
オレは今までたくさん準備をしてきた。
折り紙で、昔保育園で作ったみたいな
輪っかの飾りを大量に作って、部屋を飾り……
あいつのお気に入りのケーキ屋で、
一番でっかいケーキを予約し……
あいつでも飲めるような、
ノンアルコールのシャンパンを用意し……
全部バッチリ、抜かりなし!
そんな万全の準備が施された
クリスマスパーティ会場(まぁ、ただのオレの部屋なんだけど)で、
オレ達は乾杯をした。
オレの分と自分の分の
ケーキやオードブルを取り分けながら、楽しそうにするあいつ。
料理はオレが入念な事前リサーチの末に選んだ店のものだったので、
どれも文句ナシに美味しかった。
そして、クリスマスプレゼント。
これには、本当に悩まされて……
渡す直前まで、本当のことを言うと自信がなかった。
オレが用意したプレゼントは、桜色のマフラー。
オレから包みを受け取ったあいつが、
プレゼントの中身を目にするまで……
つい、正座をしながら見守ってしまった。
すると……
あいつはマフラーを手にして、目を思い切り輝かせる。
頬は気持ちが高まってるのか、少し赤くなっていて。
それが、よりあいつの可愛さを強調する。
『ありがとうございます……』
そう言って、彼女はマフラーの感触を確かめるように、
幸せそうな笑顔をうずめた。
その笑顔だけでも十分満足なんだけど……
その時、オレはちょっとよくばりな気持ちになっていて。
もっと、あいつの気持ちを、
明確に知りたくなってしまったんだ。
だから……
「なぁ……お前は今、幸せを感じてくれてるか?」
そう、あいつに尋ねてみた。
すると、あいつは驚いた顔をした後……
頷くでも、否定するでもなく、
オレの前にずいっと詰め寄ってくる。
「えっ、な、何だ? どうした??」
思わず後ずさるオレ。
だけどベッドの脇まで追いつめられ、
逃げ場がなくなってしまう。
あいつは、そんなオレにさらに詰め寄り……
オレの唇に、キスを落とした。
「えっ……えっ!?」
驚くオレに、あいつは恥ずかしそうに目を伏せ……
『私がどれだけ今、幸せかを伝えるには、
こうするのが一番いいと思ったんです』
とオレに告げた。
……それはもう、反則だろう。
『私もプレゼントがあるんです』と言って、
オレから身を離そうとするあいつの腕をぐっと掴み、
オレの胸の中にすっぽりとおさめる。
「……あんな可愛いことしておいて、
それで終わりになんてするなよ……」
驚くあいつの額に、今度はオレからキスを贈ると、
その顔はみるみる赤くなっていく。
その表情に、オレの気持ちの高まりは、
ますます抑えがきかなくなった。